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カーテンの間仕切り

毎年寒くなってくると、『階段と居室の間にドアがないのでスウスウして寒い。アコーディオンドアかロールスクリーンなどで仕切ってほしい。』というご相談をいただきます。確かに窓の近くが寒いように、階段近くも寒いですね。アコーディオンは取付位置に制約が多いこと、開口幅・タタミ代の問題で不向き(※)なことが多く、ロールスクリーンはスキ間だらけであまり役割を果たさないことで、結果としてカーテンで間仕切るケースが多くなります。

『えっ、カーテンですかァー。』と言われてしまうことも多いのですが、目的達成度・使い勝手・コストなどを総合して判断すれば、やはりカーテンがお薦めです。みんさま意匠性を気になさって、前述のようにコメントになるのだと思いますが、けして不自然でもカッコ悪くもありません。意外としっくりくるものです。

生地自体は主張する必要がないので、壁色を考慮したプレーンなものか、同時に見える場所のカーテンに合せたもの(まだあれば同じもの)を選ぶのが無難なところです。あるいはアクセント的に主張させてしまう案も無しではないですが…。 以下、施工例をご覧ください。

※問題がなければアコーディオンやパネル系の間仕切りもお薦めです。

写真左はリビングから階段へ通じている開口部です。腰壁の部分も一緒に覆うことで、よりスキ間を少なくし、室内空気の循環を抑えています。この例は1間幅(182㎝)ですが、半間幅(91㎝)のケースも多くあります。

右の写真は階段上部が吹抜けになってる廊下の例です。大きな窓があることと、階段から玄関にも通じていることで、やはり冬場は寒いとのことでした。大きなカーテンになってしまいましたが、窓・階段部分と廊下部分を仕切ることで、防寒効果を得られました。
夏場など使わない時は、カーテンですから外して保管しておくこともできます。

下の例は、階段開口部の形状が複雑な例です。
天井面にカーブレールを取付けて(写真右から二番目)もなお、階段下の傾斜天井部分と手すりに囲まれた三角形の開口部(写真一番右)が残ってしまいます。ヒダ部分を傾斜に縫う方法もあるのですが、傾斜がきつすぎるので、手間とコストをかけても奇麗には収まりません。ここでは、矢印部分の壁に付けたフックに、カーテン側に付けた紐を引っかけることで、三角形を埋めるようにしました。斜めに引っ張られているので裾が乱れてしまいますが、カーテンを開けているときは、フックの紐を外すようにすればスマートなカーテンに戻ります。

   

いずれにしてもスキ間を塞いで、室内空気の循環を抑えることが肝心です。冬場は暖房等で暖められた空気が上昇し、冷たい空気が下降してきます。下階にいれば上階から冷気が降りてくることになります。夏は逆の流れになるので、上階にいればエアコンで冷やした空気が下階に逃げて行ってしまいます。省エネの観点からも間仕切りは必要でしょう。

スキ間塞ぎは“フローリングの守り神”

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